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[Alexandros] We Come In Peace

  • 執筆者の写真: Keiko Hisaoka
    Keiko Hisaoka
  • 2017年4月27日
  • 読了時間: 4分

夢を追っていたら心を傷つけられる場面にいくつも遭う。

「夢は夢で終わらせて、現実を見て」。

「仕事にやりがいなんて求めてるの?いい?週休二日で休みがあって、妻と子供を食べさせられるだけのお金が貰える、それでいいんだよ。それが幸せだよ」。

就活中、このような言葉に何度も遭遇した。

今の時代、夢なんて馬鹿にされることのほうがきっと多い。

そんな中で、どんどん子供の頃に描いていた夢は消えていってしまう。

小学生の川上少年は、目の前にある瓶のラベルを見て[Champagne]というバンド名を名付け、「世界一のバンドになる」という夢を見た。2017年、30歳を超えた川上洋平は今も尚、あの頃の夢を描き続けている。

彼等は、現代社会の「当たり前」「普通」に埋もれかけそうになる私をライブの度叩き起こしてくれる。

アルバム「EXIST!」を携え、昨年11月より年を跨いで今年4月まで行ってきた本ツアー。

私のWe Come In Peaceツアーは広島2daysにて幕開けした。

「いけるかな〜…って思ってたけどcity歌えてたしモッシュもダイブも起こるし、

本当に[Champagne]時代からついて来てくれてありがとう」。

洋平さんの言葉はただ発しただけの声ではなかったから、ないからこそのセットリストだったから、心にじわっと沁みた。今回のツアーに参加して一番に感じたのは、「いつもと何か違う」ということだった。伝えたい層も伝えたいこともはっきり設定されているような、そんな感じだった。

彼らのライブではファンとの間にいつも何かしらの“緊張感”というものが常にあった。

それは悪い意味ではなく、「いつでも離れられる」し「別にそれでもいい」というスタンスと、

信用という言葉とは一番遠くにあるという意味での“緊張感”だった。

次に彼らのツアーを観たのは仙台PITだった。冬の東北。お金もないし、大阪から仙台は遠いし、雪の降りしきる中半袖で待機している途中、何度か仙台まで来たのは馬鹿だったかもしれないと悩んでいた。

しかし、ライブを観て宿に帰る道中、こういう日は記しておかないといけない、と興奮気味にスマホの画面に思いの丈を書き殴ったほど心を揺さぶられた。それくらい素晴らしかった。

良いライブっていうのはこういうのを言うんだと思った。知らなかった。今までの「良い」なんて全然なんでもなかった。最高を更新する、なんて彼らは毎回のように言う。それは演奏を完璧にするとかそういうのじゃない。100%出せなくたって、80%だって、それは最高という意味で。次に生かすことができるならそこに学びはあるし、そういう意味では最高である、ということだ。

この日のライブは、彼らの意味する最高ではなく、私の価値観、良いの基準、というのを完全に塗り替えたという意味で最高だった。

「福岡まで14,15時間かけて車で行ったり、フェリー使って札幌行ってたよね」なんてヒロさんに話しかけた後、「仙台はもうしばらく来れないんで、今日来てる一人一人の顏噛み締めるわ!全員の顏覚えてるからな!」なんて、嘘みたいな言葉を飛びきりの笑顔でオーディエンスに発する洋平さん。

「一年、いや二年くらいかかって、良い曲たくさん作るんで、それまでみんな待っててくれますか?もっともっとでっかくなるから。

……僕らね、もっと、もっと、すっごいことになるんです。なるんですよ。世界一になる。今日ここで観たということを絶対誇りにさせます。約束します」。

7年前、[Champagne]の話が友達とできないという声を受けて「絶対叶えてやる」と言って、今それは叶っている。そんな事を思い出したら、ああ、また彼は絶対約束を果たしてくれるんだろうな、と思った。

嫌なことなんて数えきれないくらいある。笑って何でも許してるけどなんでこんな言われなきゃなんないの、って思ったりする。うまくいかないことばっかだし、良い人の皮を被ったとんでもない人にも散々な目に遭わされたりもする。ただ大好きな音楽と大好きな人たちがいて、愛が行き交うだけの空間で、わたしは何も考えなくていい。笑ってることに気づかないくらい幸せそうに笑える。音楽で大好きな人たちと一つになれるなんて、こんな幸せなことはないと思った。

その後も、大阪こけら落とし公演に足を運んだ。初日からトリプルアンコールなんて贅沢極まりないライブだった。ただ、いつもより外ヅラのいい子ちゃんなライブのように感じた。

そして海外公演を経て迎えた幕張メッセ。二日間でなんと四万人の動員だそうだ。

あの大舞台で、「明日見放されても路上ライブからまた這い上がってかましてやろう」というのはエモいにも程がある。

過去に夢破れたって、叶わないと思い込まされたとしたって、周りの言葉に傷ついたって、

夢に近づくための努力というのはどんな環境にいたってできるし、目指すことで少しは近づいていける。今、生き抜いていくこと。私はこの時代に、時代にそぐわないことを歌ってくれる[Alexandros]がいてくれることに感謝している。時代に、大人に、歯向かって生きていこうぜ。


 
 
 

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